早漏の原因は脳にある

Dysregulation of Emotions and Premature Ejaculation (PE): Alexithymia in 100 Outpatients

J Sex Med 2007;4:1462–1467

 

何となくネットニュースを見ていたら、こんなのがありました。

『パートナーとの性交渉で不満を言われた男性…クリニックを受診して抗うつ薬が処方されたワケ』

まあ、読売新聞の家庭の医学的な記事で、今回は「早漏 premature ejeculation」の特集のようなのですが、そこに紹介されている患者さんの対処法がいかにもあるあるです。

『「感覚が鈍くなるのでは」と考えて分厚いコンドームを使うなどしましたが、満足のいく結果は得られませんでした。自分で出してから行為に臨んだこともありましたが、「気持ちが高まりませんでした」』

 

何がどう「あるある」かというと、早漏の原因は感覚が敏感すぎることにあると思っていることです。

 

実は違って、感覚が鈍すぎるからだろう、という話が、上記の論文です。

 

アレキシサイミア、つまり自分自身の感情や感覚に気づきにくい傾向、これが早漏の原因というか、背景になっていることを示唆している研究です。

 

これだけではなく、早漏の人は「おねしょ」の期間が長く、場合によっては成人してからも「おねしょ」がありがちなこともわかっています。

これもまた、(寝ている時だから無意識的な感覚ですが)感覚が鈍い傾向があることを示唆しています。

 

さらに、注意欠陥多動性障害ADHDの人にも早漏が多いことが知られていて、ここでもまた、注意力の低さ、気づきの配分の悪さが背景にあろうことが考えられます。

 

実際、早漏の治療として行動療法的な「訓練」をするのであれば、感覚を鈍らせようとするのではなく、逆に感覚にしっかり気づくように、特に「いきそうな感覚」にしっかり気づくようにすることが、とても大切なことが知られているわけです。その感覚に気づきさえすれば、あとはもうちょっとの努力で、コントロールできるようになるものだからです。